【イニシエーション・ラブ】感想 小説のラスト2行の衝撃を映画ではどう表現するか
こんにちは😃ごんピクシーです^_^
今回、紹介する映画は【イニシエーション・ラブ】です。原作の小説を読んで、あまりに面白かったので、小説と映画それぞれレビューします。
【イニシエーション・ラブ】
2004年発行 乾くるみ
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説 と思いきや、最後から2行目で、本書は全く違った物語に豹変する。「必ず二回読みたくなる」と称賛された傑作ミステリー。(データベースより)
普段、恋愛小説なんて全く興味ないので読まない私ですが、【イニシエーションラブ】はしゃべくり007でくりーむしちゅーの有田さんが
『最初は、普通のよくある恋愛小説だと思って読んでたんですよ。それが、ラストの2行を読んで、え?え?えーっ!ってなったんです。』
と言ってるのを聞いて、自分もその感覚を味わいたいと思い、早速買ってきて読みました。
読み始めて、すぐにマユの可愛さにテンションが上がります。
自分が鈴木になったつもりで読んで、なんとかうまくいってくれ、と願いながら読み進めました。
読んでいる最中も、常に最後の2行の事が気になり、
『先に見ちゃおうかなぁ』という思いをなんとか抑え、
『もしかして、〇〇なのか?』
『いや、実は〇〇って事なのか?』など、色々と予想しながら読んでいました。
2部構成になっていて、side-Aが終わりside-Bへ
ここまで読んでの感想は、普通に恋愛小説として面白い!という感じです。
side-Bでは、ここまで順調だった2人に、少しづつ亀裂が入ります。まぁ、そりゃそうですよね。最後まで順調で、そのまま終わったらドラマになりませんから。
こちらも、非常に読み応えがあります。
そして、いよいよラストを迎えます。
『どんな衝撃なんだ』
『どんなどんでん返しがあるんだ』
とワクワクしながらページをめくっていきます。すると、
〜あとがき〜
ん?あとがき?どういう事?
あとがきって事は、前のページが衝撃の最後2行があるページ?
普通じゃん!衝撃ないじゃん!…………………………………………………………えっ……あれ…………まさか………まじか!…嘘ーーー!いつから?……一体いつから?……ここかーー!わぁーーやられたーー気付かなかったーー!
ってなりました。すいません。取り乱しました。
衝撃 きちんと味わえました。
読み終わって、すぐに最初から読み直しました。こんなすぐに読み直したいと思った作品は初めてです。
この衝撃を共有したくて、何人も友達に読む事を勧めました。
2回目は、読むと1回目と全く違った物語になり、違う作品を読んでいる様な錯覚を味わえます。
しかし、これを映像にして、果たしてこのトリックは成立するのでしょうか?
2015年 5月23日公開
衝撃度 80
前田敦子なめてた度 90
オススメ度 80
総合 73点
私が原作を読んでからすぐに映画が公開されたわけですが、基本的には、原作と同じ流れで話しが進みます。
side-Aでマユと鈴木の恋愛が描かれます。
原作を読んでいる私は、side-Bが始まってすぐに
《あー、なるほど、そうしたわけね。》
と構造を理解しましたが、原作未読の人は全く気付かないでしょう。
いい作りです。
さらに映画版では、全てが明らかになった後に、丁寧にどういう事かを振り返ってくれてるので、観客が
『あーー、そういう事ね〜。』
という雰囲気になっていました。
ただ、やはり原作の時の衝撃を味わう事は出来ませんでした。(そりゃそうだ。知ってるんだから)
あと、マユを演じた前田敦子さん。今回の演技、完璧にマユのイメージ通りで、最高でした。
もし、原作も読んでなく、映画も見ていないなら、まず原作を読んで、次に映画を見る事をオススメします。