映画【ヒトラーに屈しなかった国王】感想 タイトルがネタバレになってますが何か
こんにちは😃ごんピクシーです(^_^)
本日紹介する映画は、2016年制作のノルウェー映画【ヒトラーに屈しなかった国王】です。邦題がすでに結末を言ってしまっているという珍しい作品。はたしてどうだったでしょうか。
【ヒトラーに屈しなかった国王】
2016年制作 日本公開2017年12月16日
完成度 90
娯楽度 30
オススメ度 65
総合 71点
ナチス・ドイツの侵攻を受け、降伏を迫られたノルウェー国王ホーコン7世が下す決断までの運命の3日間を描く。
ヒトラーに屈しなかった国王。なぜこの邦題をつけたのでしょうか?
タイトルがそのままネタバレじゃん❗️
ってツッコミが聞こえてきそうです。
原題は英語だと【THE KING’S CHOICE】なので、【国王の選択】や【国王の決断】でよかった様な気がします。
でも、この映画の内容は、国王が
どんな決断をしたか?
ではなく、
どのように決断をしたか?
なので実際にはそれほど問題はありませんが。
では肝心の内容はどうだったのか?
非常に丁寧に作られた良作である!
と言えると思います。
戦争を題材にした映画はリアル感が大事です。
今回においては、ドイツ軍に迫られた国王を逃す為に足止めを試みるノルウェー軍の中の若い隊員セーベル。
彼目線の戦闘シーンは、短いながらも戦闘の恐怖をうまく表していました。
あと良かったのが、国王に降伏を迫る為に謁見(えっけん)の場を設けるように最後通告を突きつけるドイツ人公使ブロイアー(カール・マルコヴィクス)。
降伏を迫ってくるぐらいだから、高飛車な嫌な奴かと思ったら、きちんとノルウェーの人達の事を考えてて、なんとか戦争にならないように駆け回ります。
私は観ていて、1番常識的でまともな事を言っているのは彼だと思いました。
ここ最近、第二次世界大戦のドイツとの戦いを描いた作品を多く観てきました。
【ダンケルク】
各レビュー参照。
これらの作品に共通しているのは、
ドイツ人を不当に悪く描いていない!
という事です。
ダンケルクではそもそも、ドイツ人はほとんど出てこないけど、ユダヤ人を救った動物園では、彼らの悩みや葛藤がきちんと描かれていました。
今回の映画でもドイツ人のブロイアーは、妻と喧嘩してでも交渉の場に行こうと画策しています。
もちろんそれは、ヒトラーの直の命令だからなのですが、
無駄な殺し合いをしたくない!
という、ブロイアーの想いが感じとれました。
私が感じた唯一のマイナスポイントは、
ホーコン国王がその時その時で、何を考えていたのかよく分からなかった所です。
もっと国王の心の葛藤を描いてくれるのかと思っていたけど、描いているのは国王の周りの人達の葛藤で、国王が何を考えているのかは全くわからない状態でした。
最終的にどう決断するのかはタイトルからわかっているので、
決断までの心の様子を覗かせて欲しかった!
というのが正直な感想です。
とは言え、国王が国民を思って発する言葉に目頭が熱くなったのも事実。
観終わった直後は、もう少し娯楽性があった方が良かったと思ったけど、あえてそこを封印し、淡々と描くことで良作に仕上がっているのだと気付かされました。