映画【旅のおわり世界のはじまり】感想 黒沢清、前田敦子を撮る
こんにちは😃ごんピクシーです(^_^)。
今日紹介する映画は、黒沢清監督が前田敦子を主演に迎え、日本とウズベキスタンの合作で制作したロードムービー【旅のおわり世界のはじまり】です。
【旅のおわり世界のはじまり】
2019年6月14日公開
前田敦子PV度 90
オススメ度 75
総合 72点
歌手になる夢を胸に秘めたテレビ番組レポーターの葉子(前田敦子)は、幻の怪魚を探す番組制作の為、ウズベキスタンを訪れていた。しかし、怪魚は簡単には見つからず、時間だけが過ぎていった。思うようにいかない異国の地でのロケに、番組クルーたちも苛立ちを募らせていく。仕方なく首都タシュケントのバザールを取材していたが、葉子がクルーとはぐれ迷子になってしまう。
黒沢清監督、前田敦子を撮る‼️
ずばり、そういう映画でした。
映画と言うか、前田敦子(あっちゃん)のPVを見ている様な感覚になりました。
PVだなんて言い方をするとまるで否定してる様に思われそうですが、逆です。
絶賛しています。
この時代にこんなに1人の女優を信頼し、深掘りする監督が他にいるでしょうか⁉️
そしてその期待に見事に答えた前田敦子❗️
もう元AKBのと言う枕詞は要りませんね。
女優前田敦子❗️
これで十分です。
内容についてですけど、普通これだけ話しの骨格が見えない(何がしたいのか、何を言いたいのか分かりにくい)タイプの映画だと、観ていて退屈だなと感じるものです。
それなのにずっと集中して観ていられました。
何故でしょう?
考えられる理由は3つです。
1つは前田敦子の存在感です。
葉子と言う役名ですけど、もう葉子じゃなくて敦子で良かったんじゃないでしょうかね。
そのくらい自分の中に葉子を落とし込んでいたのか?それとも元々葉子と似た感覚を持っていたのか?
もっと言っちゃえば、脚本も黒沢清監督が書いてるので、もしかしたら初めから前田敦子をイメージしてたのかも知れませんね。
完全に彼女ありきの映画である事は間違いありません。
監督が役者を信じ、役者がそれに答えた。
だから退屈しなかったのかも知れません。
(退屈しなかった理由)
2つ目は黒沢清監督のドSっぷりです。
上の写真は、街の小さな遊園地を取材して、今にも壊れそうな乗り物に乗せられている葉子ですが、信じられないほど早いスピードで回転しています。
あまりに暴力的に回転するから、最初はスタントマンが代わりに乗ってると思ってました。
そしたら実際に彼女が乗っててびっくり😱
「じゃ、もう一回行きまーす。」
まじっすか😨
「今度は俺が隣に乗りまーす。」
とカメラマンの岩尾(加瀬亮)。
鬼っすか👹!
現地のウズベキスタン人「こんな事少女にさせるべきではありません!血管が破裂して死んでしまいます!」
「は⁉️死なねーよ。こんな事で!」
と吉岡(染谷将太)。
この一連の流れは最高でした。
でも、あの凶悪な乗り物に3回も乗せるのは「ゲスの極み!」「悪魔の所業」な事。
監督がドSなのがバレてしまいましたね( ̄∇ ̄)。
(退屈しなかった理由)
3つ目は男性キャスト陣の演技が良かった事です。
日本人3人のナチュラルな台詞回しも良かったんだけど、1番は通訳テムル(アディズ・ラジャボフ)の人柄の良さが滲み出てたところかな。
彼はおそらく日本語出来ないですよね、本当は。すごくたどたどしかったから。
普通ならそれはマイナスに働くところですが、何というか一生懸命さが伝わってきて、応援したくなったんですよね。
終盤のテムルの長セリフは心に響きました。
ラストもかなり癖のある終わり方で、心に残ります。
あと、どうでもいいけどね、ウズベキスタン人は人の顔見過ぎ笑。