映画「パターソン】感想 何気ない日常がかけがえのない日になる
こんにちは😃ごんピクシーです(^_^)。
今日紹介する映画は【パターソン】です。
バス運転手の何気ない一週間の日常を淡々と描いた作品で、観終わった後になんとも言えない幸福感と心地良さを味わえます。
【パターソン】
2016年 日本公開2017年8月26日
ニヤニヤ度 100
オススメ度 80
総合 90点
ニュージャージー州パターソンに住むバスの運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。彼の1日は朝、隣にいるローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。
いつものように仕事に向かい、常務をこなす中で、心に芽生える詩を秘密のノートに書きとめていく。
帰宅して妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、ビールを一杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。
そんな一見変わりのないパターソンの毎日を、ユニークな人々との交流を通して描く7日間。
2017年に映画館で観た作品で初めて90点代を付けました。
観終わった直後は、85点くらいの感覚だったけど、時間が経つにつれて、どんどん自分の中で伸びてくるのがわかって90点にしましたが、あとでさらに上がるかもしれません。
ニヤニヤ度は、映画開始2分くらいで
「あっ この映画好きだな。」
って思ってから、なんでもないシーンでも楽しくて、ずっとニヤニヤしながら観てたので100としました。
そんなに良かったのにオススメ度は80なの❓と思われるかもしれませんが、些細な日常に起こる小さなトラブルを描いているに過ぎないので、人によっては退屈だと感じるだろうという事で少し控え目なオススメ度としました。でも本当は
オススメ度100です(^_^)
私は普段ブログを書くとき、なるべくネタバレはしない様に書きます。
しかし、このパターソンに関しては
そもそもバレちゃまずい様なネタはない!
いや、この言い方は語弊があるな。
ネタバレしたらつまらなくなる様な映画ではない!
よし、この方がしっくりきます。
普通の職業、普通の男の1週間を淡々と描いてる作品。それだけ聞くと、
「それ、面白いか?」
「そんな事映画にする価値あるの?」
と思いますよね。
これが面白いんです!
価値があるんです!
では、なぜ面白いのか❓
答えは緊張と緩和の演出にあると思います。
序盤に主人公のパターソンが歩いて会社に向かうシーンがありますが、歩きながらパターソン(ここがややこしい。主人公の名前がパターソンで住んでる町の名前もパターソン)の街並みが映し出され、のどかな雰囲気です。
のどかな雰囲気なのに、若干暗めの音楽が流れてます。
その後のバスの運転中も暗めの音楽です。
音だけ聞いてるとホラー映画のオープニングで、これから事件が起きそうな感じがします。
これおそらく、監督のジム・ジャームッシュが、わざとやってるなと思いました。
普通は、のどかな風景にはのどかな音楽をあてるものです。その常識を逆手に取り、あえてアンバランスな音楽にする事によって、画面に薄っすらとした緊張感を漂わせたのです。
さらに、パターソンが読み上げる詩を、書くスピードに合わせて画面にも書き上げ、視覚と聴覚同時に刺激して退屈させない工夫がある様に感じました。
そしてそこに、犬のマーヴィンが可愛さ全開でいいタイミングで映るので、結果私のにやけが止まらないのであります笑。
薄っすらとした緊張と緩和の演出は他にもありました。
マーヴィンと散歩中、車に乗った若者がパターソンに話しかけてきます。
『それ あんたの犬か?最近人気の犬種だよな。盗まれない様に気をつけなー。』
それを言われた後パターソンは、いつもの様にバーへ行き、いつもの様にマーヴィンを外で待たせます。
ちょ ちょ待てーい!
盗まれるよって言われたばっかりなのに、何にも警戒しないんかーい!
心の中で全力でつっこみを入れましたが、パターソンはいつもの様にビールを飲んでます。
普通の映画なら、姉さん事件です となるところですが……。
[追加]
2回目の鑑賞でなぜパターソンは全く警戒しなかったのかが分かりました。
日本語字幕ではワンジャックとなってますが、実際には若者はドッグジャックと言っていて、ドッグとジャックの韻を踏みたかっただけだで、それが分かってたから警戒しなかったんだと。
それから、妻のローラ。
可愛らしいけど、どこか危なっかしいですよね。
カップケーキ あんなにたくさん作って平気でしょうか❓
だって水で流し込まなきゃ食べられないピザを作る人ですよ。果たして美味しいんですかそのカップケーキ❓悲惨な結果になりそうで不安で仕方ありません。
ギター弾いた事ないのにギターが欲しい?
教本が付いてくるからそれで練習する?
すいません。私なら一緒に住んだら一週間で発狂してしまうと思います(笑)
でもパターソンは彼女を心から愛していて、ダメな所も含めて全て受け入れているんです。
その姿勢と寛容さに、映画を観た男のほとんどは、今までの自分の行動や言動を反省せずにはいられなくなります。
と同時に、彼女や妻がいる人は間違いなく接し方が変わると思います。
男が優しくなる映画。
観終わった後、しばらくなんとも言えない幸福感に包まれる映画。
そんな映画です。
ね、オススメ度100でもいいでしょ。
ところで、ピザを食べる時に、そぉっと水で流し込むパターソン。最高に笑えます。
ポストが傾く理由がわかった時も笑えます。
結構、声に出して笑えるところもあるのでさらにオススメでございます。
それから、英語の勉強になります。
ゆっくりと書きながら声に出して読んでくれて、しかも何度か同じフレーズを言うので勉強になるなぁって思いながら観てました。
永瀬さんの事は特に触れなくてもいいかな。
ではご機嫌よう。 あーはーん。